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稽古と工夫

古武術稽古会柳心会2025年05月31日稽古録

  雨粒が比較的大きい雨の中稽古場へ。稽古項目を抜き出して整理を少しずつ進めて、会員諸氏の立ち位置と進む方向の一助になる方向で構築中。今年の夏の終わりか、秋の始めぐらいには形にして実地できる様に……。技術の整理は思考も整うので、稽古する上で非常に役に立つので工夫しやすくなる。

杖:膝の緩み・一人杖・廻杖・松風・巴・三方突
型:組杖1-2本目・剣杖 水玉・黒龍
体術:膝の緩み・足入替・後両手押さえ上げ
居合:一文字抜・腹抜・壁抜(掌)・床返・腹抜突・縦抜
 型:中腰・坐居合1・7本目・各自課題
剣術:正眼構・基礎素振り・廻剣・袈裟打(打ち・受け)・中心立(打ち・受け)・切返
 型:引疲(寄・待)

 杖:一人杖の表・裏をとおして基礎の打ち方を稽古していく。最後の切先返において、踏み込み過ぎる感じがしたの動きを解説する。単独で動いていても相手を想定して行うことは基本となる。稽古を続ける中でその様な意識を持てるようになれば、自主稽古も意味が出てくる。
 組杖:型稽古も手順の段階から、意図・技術の修練に入る様になってきた。少しずつでも面白さが伝わってくれればと願う。
 組杖二本目:袈裟打ちを受けてからの動きの際に、打方との交点に圧を掛け過ぎない様に注意が必要。縦回転時は、杖の両端をいかして付けて動いていく技術と意図が必要になる。打方に中心意識があればおさえとして効果を発揮する。
 水玉:先週の反省を踏まえて、構えを修正していく。長物としての物理的な長さと形状の違いによる差はいかんともし難いので仕方なし。歩みだしの足や引き足の使い方など基礎の点にフォーカスして稽古を進める。各位思いのほか付けて歩む感じが堂々として、良い感じになる。
 黒龍:打ち拂い・斬り落としと慣れない動きだが、稽古をとおして技量向上に繋がっていくと思える感じとなった。 


 体術:膝の緩みを小さく動く形で導いていく。日頃は大きく身体を使うことで緩みを体感して貰い、足首・膝・股関節が緩みで崩れる感覚を掴んで貰うようにしている。実際の型稽古で、膝の緩みは微細な形になるので体感)を掴んで貰うために今回はこの様にしてみる。
 後両手首おさえ:稽古の終わりに柔らくリラックスしてやってもらう。会員諸氏、程よく緩んでいて前半の上げに関しては良くできていた。後半の崩しに関しては、方向が観えず手間取っていたが今後の経験次第なので問題なし。前半の肘・胸・肩の緩みが非常に大切な動き。

 居合:掌で押さえられた形で抜く稽古をしてみる。人に代わるだけで、慣れている動きでも緊張感が出てくるのでその感じを体感して貰えればと思う。居合は形や遣るべきことが解れば後は一人稽古での修練が大半となる。それに慣れると人から伝わる緊張感を忘れて遣る感じになり易いので、時々このような稽古で感じて貰えればと思う。
 型稽古
 中腰:刀に入る感じを意識して稽古を進める。入ると守る感じそれを踏まえて撞き込む。二ノ切が突きなので珍しい形でもあり個人的に好きな型の一つ。誘いの上段構えの時に腰を反らさない様に注意が必要。
 坐居合:初心組には一本目と七本目を稽古してもらう。前をおさえた感覚をもって動き抜いてもらいたいがどうだろうか?七本目は抜くことよりも軸なりに浮くことを優先してもらう。
 各自課題:坐居合九本目の撞きの動きと体軸(傾斜)の一致を話す。撞く動きが大切な型なので曖昧にならない様にしっかりと動く。

 剣術:腰構えから各種素振りをこなしてから、廻剣を左右丁寧に振っていく。六之太刀では受け流しの姿勢が大切になるので、これらの動きで要点を良く掴んでもらえたらと思う。
 切返:受け手は、打込む側の間合いを感じる感性が必要。逃げ腰にならず適切な間合いを取れるように意識を向ける。相手の動きを良くするも悪くするも受け次第になる。柔と同じで剣術も変わらない。打込む側も守るべき要点が出来ているか絶えずチェックできる様に。
 中心立:下肢を動かさない形ですると交点からの動きが良くわかる。捩じらず縦に真直ぐ身に中心を捉えて入れる様に各位工夫をしてもらいたい。受ける側も自分の感覚を絶えず丁寧に張れる様になり、その感覚が広がりを持てるように先々工夫すると良いかと思う。
 型稽古:引疲
 ウケナガシにフォーカスして動きを観ていく。待太刀は誘いにのり縦に真直ぐに斬っていく。打つのではなく斬る動きで、自分自身をコントロールしていく。打ち廃る形にならないことが先ずは大切になる。この前提で寄太刀は誘い受け流しを完遂して、刀の返りを捉えて上段の打ち込みを刀のおさえに切り替える形になる。