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Blog 稽古録

打つべき場所と捉え

古武術稽古会柳心会2025年04月26日稽古録

 居合:新聞紙切から開始。先週の稽古から斬る意識(どの様にきるか?)を明確にする必要性を感じたのでその一環で、今後もおこなう予定。本身(真剣)ではなく木刀で当会における斬る技術の要諦の習得が目的。一つ目のポイントは、「切先が入る位置」。次に腕(肘)の伸ばし方が大切になります。この二つを意識化する(内在化)。木刀で切れても模造刀では連続で切れないなど、自分の内面を知るきっかけにもなります。稽古を通して自分と向き合って貰えたらとも思います。
 腹抜突:それぞれの次の段階に向けて助言を伝えながら、丁寧に抜いていく。特に鞘引きを途中で止め、最後の鞘落まで完遂する癖を付けて貰いたい。切先の位置なども工夫ができるので抜きながら自分の動きを振り返るのも上達への一歩になります。
 坐居合:一本目・七本目
一本目:付けから誘い、廻刀の動きにフォーカスして稽古していく。脇が明かないことがポイントになります。
七本目:腰を軸で浮き上がらせながら大きくしっかりと斬っていく。特に軸による身体の誘導が大切になる。慣れてきたら左足を後方へ引き開き撞木になる様にし、鞘引と撞木の一致も意識する。

 体術:軸作りから、日頃をこなっている膝の緩みから柔の受けにどの様につなげていくのかを解説していく。受けをする際は、掛けて(取)の動き(流れ)を感じ合わせることが始めの学びになる。その為には、身体を緩め特に自分の軸・足首・膝・股関節の強張りは極力緩め、順体で動くことになる。流れの方向と半身を合わせるとも言えます。
 鬼拳:その①・②を稽古していく。掴まれた腕を解き受けを打つ。横と縦の単純な動きなので受けを捉えてみる学びとして最適ともいえる。
 両手取:鬼拳の動きから受けの横に取り、肩抜落で真下へ崩す。古傳では湶に当身を入れて引き落す流れになるが工夫としてこの形をとる。真下へくず際に押さえ押しになる人が多いが、撫で抜き落す動きが大切になる。
 打取:縦の打ちを受け、受けの裏を取る様に体を捌いて肩は結果的に真下へ崩す形にする。取の向く方向は180度転換となる。パフォーマンスとして無手押さえもやるが、慣れていないから一瞬慌てる(日頃やらないことは良くない……)
 
 剣術:腰構えの作りから稽古にはいる。この構えは足を強張らせて取るのではなく、前後と軸でバランスを取るようにすることが学びと工夫になる。
 袈裟打ち・受け・切返:基本の打ち込み・受けから、打ち込みの連撃で、相手の拍子・間合いの取り方などを深めていく。特にこの日の稽古では、寄り方の工夫を伝えたので型でもこの概念と動きを表現できるように深めていって貰いたい。
 受け流し:打ちは敢えて重さを入れて、受け流しやすくする。ただその勢いで軸が崩れることが無い様に身体をコントロールする。流す側は、交点を意識して刀(木刀)は外さずに身体のみ1㎝程度外し、向身をしっかりと作る。部分稽古として精度を高めるモノではないので全体の雰囲気を学びものにすることが主眼の稽古。
 型:引疲
 待太刀は、刀(木刀)を打たず寄太刀の寄せ付けた刀(木刀)奥の肩・頭部を狙い打つ(斬る)ことを忘れずしっかりと動きで現すことが必要になる。寄太刀は刀(木刀)を丁寧に呼吸と身体の動きに合わせて、隙なく待太刀の刀(木刀)の柄頭越しの軸線を点で捉え面で押さえる感覚を育てる。
 寄太刀は待太刀への誘いは腕でおこなわず下肢を使っておこなう。その際に躊躇せずに大きく動か、待太刀の動きを良く見ながら受け流しの姿勢を作る。待太刀は寄太刀の誘いにのり一調子の動きで大きく打ち込み受け流されて、刀が打ち廃った瞬間に切先を返して垂直に切り返す。寄太刀は流した姿勢から右足を引きながら、上からかぶせ気味に上段打ちを大きく行って待太刀の切先返打ちをおさえる。
 これらの動きは互いに中心を捉え拍子を感じ、間合いを適切に図りながら結果的に斬り結ぶ。引疲の初伝遣いはこの形で終わります。