早いもので二月の最終稽古。年が明けてもう二ヶ月になるのかぁ。ぼんやりしているとあっという間に月日が過ぎてしまいそうなので少し気持ちを切り替えて稽古場へ。
杖:一人杖の各動作を一つ一つ確認しながら練習。特に逆突きの前にある順突きを楽にやりがちなので、対人での動きを確認して明確に。最後の切先返の動きも三角形を形成して相手を捉えられるように。
組杖:打方をやりながら動きの間について少し解説。打方が扱う道具の速度が速いからといって「間」が速いとは限らないこと。「間」は単独ではなく相対として存在しているので、道具の遅速に惑わされないように。過不足なく調和できればそれで十分。そのためには動きの一致と柔らかに。
七本目:動きを最後に解説。道具の形状で同じ技術でも表現方法が変化するので其のあたりを。
居合:坐居合一本目を中心に体捌きと軸の維持を意識して稽古。師匠の動きは最短で縦に動いているから一見すると捌いている様に見えないが、最小で捌きもおこなっていた。そのあたりも意識して。
間詰:坐居合一本目を間詰でそれぞれ表現できる様に。正解が無い居合なので、何を大切にするかが大切。個々の視点と問いが形成される。
集団居合:最後に坐居合七本目で数回練習。振り返るとこの稽古はかなり大切。当会の居合は対人を意識していても対人で日頃抜かないのでこの稽古で「対人の呼吸」を感じて貰えればと思う。
柔術:古典的な小手返の掛け方を少し練習。この掛け方は、一時世を風靡した筋膜に働き掛けて崩していく。筋膜の概念も人体の構成も曖昧な世界で、人体の観察と経験でこのような動きを抽出していた先人達には頭が下がる。逆関節や圧迫の痛みでこのあたりの崩しに目が向かなくなのは残念だなと改めて。
坐技呼吸法:崩してからの抑えまで稽古。抑えの一例を示して各自練習。今後はこの辺りも明確にしていかないと。反省。
落葉:肩貫から真下への崩しが見えてこない様子。受けの中心を捉えて全体を俯瞰して観ることが大切。掛ける場所ばかり気にかけていては観えてこない。人の癖を捉えた上で最適な形に持っていくことを忘れずに。
剣術:前後斬りを練習。太刀の運用を鍛えるには良い動きだが、この動き自体は居合や薙刀の稽古になるなと。初心のうちは刃を縦に返して上げてそこから縦に斬る動きから始めると良いかと思う。慣れてきたら角を取るようにして、ポイントは切先を下げず、腰を入れないこの二点。
型:基本組太刀四本目
仕太刀は折敷いた姿勢から、太刀を立て、体の入れ替える。打太刀は、体の入れ替えと太刀捌きを一致させて、腰をしっかり斬られること。腰を斬られることを嫌がる人が多く雑で素早く動いて一見成り立っているかの様に見せる人が多すぎる。そもそも柔らかく動ける人の腰斬りは躱す動きを追えるので意味がない。打太刀はしっかり負けることも学びの重要な要素。