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徒然稽古録~29~ 膝の緩み・股関節の緩み

古武術稽古会柳心会 2023年7月15日稽古録

 杖:杖の両端を意識しながら、膝の緩みから。袈裟打・受けと基礎を練習してから組杖へ。組杖は5本目から打方の説明から。
組杖
 五本目:仕方が見せ誘う腰部へ払打を縦の体捌きでしっかり打込む。この時に打方は上体のみで打込まないことが大切。必ず体の入替と一致させてできる様にし道具と身体が一致して動く様子をしっかり見てもらい練習。
 六本目:ます巻落を練習し型へ。この型は、仕方の動きに打方が対応・流れに乗るので、難度が上がりやすく難しくなりやすい。互いの技量に合わせた稽古で向上を目指すことが大切。良い質問があり回答。巻落の流れに乗りすぎないことも打方の役割、相手・場がどの様な動きを求めているか知ることはとても大切。

 基礎鍛錬
 金剛指:五指でしっかり張りを作り、末端を意識して力を抜き緩ませていく。敢えて力むことで、緩みの理解を深めていく。また張りを知ることは、身体を守ることにも繋がるので大切な要素。
 胸の緩み:肩甲骨の動きと呼吸を使って、胸と背中を活かしていく。この動きは単純でしっかりやれば血流もゆっくりと良くなるので丁寧におこなえば良い動き。これに禅密功もおこなえば健康法としても十分。
 抜きと詰め:腕に螺旋を掛けて、抜きと詰めを。柔術の基礎にもなりこれが理解できないと当会の柔術は判らない。そして身体を繋げることも体得して貰いたいところ。

 居合:膝の緩みと抜きの稽古。
 本日の居合稽古は、膝の緩みが抜く動作にどの様に関わり影響し大切かをしっかり稽古。居合の稽古で始めに教える腹抜だが、最後の切先が鞘から抜けるところで上手くいかず工夫をこらし出来ているよう見せる人がいる。それも学びなので大抵は何も言わず稽古を進めている。しかしこの部分を解消せずに先に進むと後年かならず壁にぶつかり停滞しやすくなる。この課題の解決策が、上手く出ず苦悶していたがつい最近根本的な見落とし部分に気付き修正の方向性が観えたので本日実施した次第。
 膝の緩みは師匠から教わった大切な教えの一つだが、根本の動きゆえにそれが各動作にどの様に働いているかしっかり認識しないと観えてこない。居合においては股関節の緩みとしてまず現れる。今日の稽古では居合帯をしっかりときつく結んでもらい、帯刀も同じにして稽古を実施。
 この状態で、太刀の抜き差し、鞘の運びを練習。そして膝の緩みを遣い窪ませて抜くとどの様に変わるかを体感して貰った。全員理解が進んだ気配があったので何より。当たり前に教えていることであったが見落としていた部分であったので、私の為にもなった。
 腹抜・縦抜・正面斬りと居合の基礎稽古各種で順次動きを確認してもらう。特に型における二之太刀をおこなう際は敢えて、しっかりと股関節を緩せて、身体に沁み込ませてもらった。
 このような稽古はおこなわない予定。なぜなら、時間が無い……。他にするべきことが多々ある。一つの動作に気を配り深めて稽古をすることで理解が進み多方向に向かえば良いが。経験上あまりその様にはならない。また今回の内容は日々の稽古で当たり前におこない見せているので、あとは本人しだいとも。

2023年7月16日居合・剣術稽古

 剣術型稽古
・中級型六本(初伝遣い)要点を伝えながら一本ずつ検証しながら稽古。
華車刀:上下の打ち分けと足切り
三角切留:受け流しの位置と体捌きの関係
引疲:太刀寄と付け・間合い
獅子乱:捌き躱すための受けと中心と軸線の捉え
巻太刀:太刀のライン取りと立てること
右旋左転:受けの位置と中心取り

居合稽古
 坐居合をとおして、膝の緩み・軸回転・抜き付・呼吸の合わせ・体捌きなど稽古。
坐居合は教導の階梯が良くできていると毎回感じる。型の形をとおして段階的に稽古を深め理解できるように組まれているので、その型の要点が身についてくれば次の型を学ぶ下準備となっている。前の型で求められる動きの理解が浅いと如実に現れるので、観る側としては良い指標となる。
 皆それぞれの段階で、しっかり稽古を深めて貰えたので良かったかと思う。自分の課題としてはより意図と動きの一致。場と思考の方向性を整えるなど。学ぶ側・教える側が共に学ぶ場になることが大切なこと。