古武術稽古会柳心会 2023年07月08日稽古録
夏本番の様な晴れ間から曇り空へ。ちょっとした天気の変化で夏らしい空へとゆっくりと変化している様を感じながら稽古場へ。
杖:膝の緩みをする際は、お尻を後方へ突き出しながら股関節・膝の遊びを作りゆらゆらと動いていく。この緩みは当会で学び育てる動きの根幹を形成する部分でもあるので、年数に関係なく日々研鑽したところ。
逆突:逆突の動きを分解しながらしっかりと練習。始めに杖を軸上に立てるのは、縦に動く指針と自分の急所を守るため。この動きは省略・縮小されるため観えなくなるがしっかりと存在している。これを疎かにして動くと本質を見失う形になるので要注意。相対で打ち込み稽古していたら単独技として十分成り立っていることが見て取れたので、型の要素として組み立てみようか。
型:組杖1-7本
一本目:杖を体側に伸ばして傘の様にして間合いを作る。この道具の間合いが守り余裕を生むことになる。
二本目:縦回転の時に半身で回転すること。この部分は半身の動きが身についているか良くわかるので良い指標になるかと。
七本目:折敷から打込む際は、頭頂から打方へしっかりと縦に打込む。斜めに打ち込まない様に、また打方の小手をしっかりと抑えるラインを取ること。
柔術:胸と背中の緩みとして肩甲骨のストレッチを少しやってみる。背中は意識しても胸・腹の緩みは意識しづらいので気付くきっかけになると良いかな。膝の緩み・足の入替へ。
膝緩落:久しぶりに膝の緩みで崩す動きを。単純に技巧を遣わずに緩みの落下で崩せる様に。この稽古すると昔の苦難を良く思い出すものの一つ。次は肩抜から崩す。こちらは技巧として練習。違いの理解が深まると良いかと思う。
鶚落:久しぶりの技、第二弾。肱先と股関節の窪みを合わせて崩す。この技のポイントは人間観察と余計な動きをしない。特に観察力を磨くのに良い。翻って自分の身体の理解も深まる。
向崩:当て身を使って受けの間を作り、鶚落の工夫として。受けへの当て身は自然に力を入れずに背を当てその流れで肘窩(ちゅうか)を崩す。この動きは当て身の反射を柔らかく使うことが大切。
居合:一文字抜きから腹抜へ。鞘の扱いは居合の命なので、張らずにお腹をさする様に。このさする動きが身に付かないと誤魔化して抜く方向へいき易いので丁寧に身体に沁み込ませ欲しい。工夫は大切だが身に着けるべきことをした上で。
腹抜から袈裟打ちへ、しばし練習。
型:坐居合七本目を中心に。
坐居合七本目:本来は右側へ捌き斬るが、抜ける様になるまでは縦に真直ぐ動けるように。この捌きは抜く人次第で表現が変わるので、工夫が大切。右手で抜かず鞘引きで抜く。結果として抜く、ここが大切だとやっと理解できてきた。あとは、浮き・撞木・半身・体の入り等々。
立ち技として坐居合十二本を抜いてみる。なかなか面白く緩みの良い訓練になる。特に表六本は身体を練るには良い動き、膝には気を付けたいが。心法の工夫としても面白い。
剣術:廻剣から袈裟打ち・上段付と動きの工夫から始める。中心立をする際の前足遣いについてもしっかり練習。その際に沈まぬこと。打太刀は柔らかく斬りを掛けているので、まずは守りをしっかり作る。その上で打太刀の中心へ立てる、そのために前足を緩めて使う。
型:基本組太刀6本
四本目:打太刀はしっかり太刀・体捌きを一致させて腹を斬らせることが大切。この腹切はまずかわせないので型の動きを理解して余計なプライドは持たないこと。仕太刀は打太刀の中心をしっかり切り、膝を緩めて横腹を斬ること。曖昧な動きは慎みしっかり表現する。それぞれ大切なことを学ぶ型なので雑に扱わない様に。
三本目・六本目:これらの型は表と裏、対の型なので段階を測るのに適している。抜きのよい練習にもなるで理解を深めて貰えればと思う。