古武術稽古会柳心会 2024年01月27日稽古録
1月最後の稽古日、数日前に正月が終わったかのような感じで迎えてしまったが日々の過ぎる早さに驚いてしまう。平年よりも早く花粉も舞ってきているので春先が思いやられるが、稽古としては数年来の課題に少しずつ取り組めるようになってきたので良い流れになってきた。
杖:廻杖、巴・松風とそれぞれのポイントを復習しながら一人杖へ。一人杖の表と裏を数回繰り返してから杖の扱い方の稽古へ。道具は腕で動かすのではなく、緩むことで進むべき方向へ誘導し、結果的に重さを消したかのように楽に扱っていく。なので当会の道具を扱うポイントはバランスを絶えず崩れる要素を持ちながら扱うを目指して稽古をしていく。
組杖:1~3本目
1本目:打方は仕方との間合・拍子を図りながら間を消して突けるようにしていく。特に仕方の中心の捉えを外さないことが最初の学び。
2本目:仕方はまず受けの形をしっかりと取れるようにする。そのうえで膝の緩みで杖を導けるように打ち返していく。打方は始めの袈裟打ちで仕方の間を取ることが始めの学び。
3本目:仕方はまずは直線の切先返しを学ぶ。そのうえで誘い・外しの初歩を学ぶ。打方はまず上打ちを学び、仕方のとの呼吸を学び始める。
柔:稽古場の床が冷えやすいので、身体を温めるために各関節部周辺のほぐしから始める。その後に金剛指で胸の緩み・張りをそれぞれ練習。構えからの前受身・前廻受身と練習をして久しぶりに鬼拳の稽古。
鬼拳:古傳柔術では有名な型。型の手順を借りながら、当会の方向性で手解き・打ちの基礎稽古。胸・肱の緩み・部分操作・縦の守り等。受けが取る方向の気持ちが強いと良い稽古にならないのでその時々の主題を汲んで稽古ができる様に注意が必要。
小手返:鬼拳からの流れを使って、体を退くことで崩す小手返を稽古。シンプルながら日頃とは違う方向性で稽古をしたので良い刺激になったかと思う。個人的にも会員の受けの反応から今後の課題も観えてきたので良い流れ。
腕流:こちらも鬼拳からの流れで。受けの反応次第で崩す方向が変わるので、其のあたりを伝えながら受けを観る稽古にもなったかと思う。この辺りの観ることで変化するのも型稽古の面白さでもあるかと個人的にな思っている。
立ち技で呼吸法:肩抜・詰めで受け手を緩く崩す練習。興がのったので崩しから受け手の後を取って立ちでの固めを少しみせてみる。受け手の緊張による固めを誘発させるのがポイントかなと思う。万人に決まるモノでもないので宴会芸だが。
剣術:各構えの稽古から、正面切り・廻剣素振りへ。廻剣では切先の落し方などにフォーカスして丁寧に練習。むやみに数を遣るのではなくポイントを覚えて身体に沁み込ませて貰えればと思う。数稽古は自宅で……。
切落:互いに寄り合って打太刀・仕太刀に分かれて左右の切落稽古。この稽古のポイントは左右の側を意識して打ち込まないこと。あくまでも結果として捉える。一刀両断の打ち込みを構えで導く。
陽重刀:先週に続いて構築と手順の学びから。仕太刀は打太刀の打ち込みを良く捉える。打太刀は二之太刀を導く体捌きの方向と間合いの稽古。
中眼刀:単純な構成にしているので、稽古していると手数を増やしたく気が出てくるが悩ましいところ。打・仕太刀とともに立てる技術と退く間の習得を。
基本組太刀四本目:打太刀は仕太刀との間合いと拍子・打ち込み技術の向上。仕太刀の何処を狙い打つかは大切ではあるがその本質は切先のコントロールにある。これが出来なければ絶えず事故を引き起こす可能性がある。目先の理屈と指示に安寧とせずに本質の習得を目指し稽古を重ねて貰いたい。打太刀は絶えず緊張感を持ち型をおこなうこと。
仕太刀は打太刀の打ち込むに対して、立てることで守り取る感覚から、そのうえで切先から切込むこのとも順次習得を。