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徒然稽古録~57~

古武術稽古会柳心会 2024年02月03日稽古録

 杖:縦回転から。縦に曳いた直線状を杖がズレることなく動く様に身体を扱っていく。道具が主で身体は従の意識が大切。この動きが縦の動きを育てる良いきっかけになるので、眼が廻らない程度で修練して貰えたらと思う。その流れで三方突きへ。杖の両端を活かすために相対で稽古。体捌きを大きく取り過ぎないように気を付けて。相対にもかかわらず単独で動いてしまう人がいるがこれは良くない。意識の上では一人で動いていても相対の感覚無ければ上達はしない。
 組杖:五本目・六本目
五本目:歩み寄りからの打たせる所作は大分雰囲気が出てきた。守ろう・負けまいとする気持ちと向き合うようにする姿勢が動きを変えていきます。打方としては的確な間合・拍子・道具の扱いで打ち拂う。仕方は上段から打落・体を捌き・杖を扱うをスムーズにする。
六本目:巻落の練習から。打方は流れを貰い対応し、仕方は自分が動ける七割程度の働きを掛ける。このバランスが大切。弾き拂う際の身体の位置をコントロールし打方を詰められるように。

 居合:一文字抜から腹抜突へ。三拍子で各動きの所作を明確にして流れが途切れない運びを心掛ける。安易な速さに惑わされないことが居合では大切。縦抜は下肢の働きを最大限にしながらしっかりと半身を取って練習。そこからなるべく低く切り付けるように抜き放ってみる。手や腕で扱わずに下肢と刀が一致することが肝要。昔見た兄弟子の写真を思い出してまねしてみる。まだ安全第一でしてみるところがまだまだかな。
 型:坐居合八本目・十二本目・各自課題
坐居合八本目:この型は切先返の位置を軸線上に整えるのが最初のポイント。刀の支え方と直線で切先が走ることをまずは覚える。体の方向はまずは真直ぐで動くことが大切。外す体捌きはその次の段階。あとは右手で刀を引かぬこと、これがズレると怪我のもとになる。
坐居合十二本目:右膝の捌きと刀の柄出しを一致させる。右腕を廻さない・軸の働きなど。燕が低く飛び立つような雰囲気が出てくれば良いかと思う。イメージに身体を添わせることも稽古の方法としては良いもの。
 各自課題:それぞれの型の稽古時に動きの伝え方について一考する。芸の伝承において「みせる」ということは「おしえる」「つたえる」と同意語となることがある。これは当然受け取る側がその位置にこなければ成り立たない事柄ではあるが成長に関係なく求められることは良くある。段階をおいて修練させ形作る型の要求を言語で云えられない時はみせるしかないことを実感する。それと同時に型は変わらずとも形は今よりも柔軟なモノで有ったのだろうと思案した。

 柔:久しぶりに龍形基本功を使って、胸の開き・背中の閉じと開き・下肢の柔軟・腕の張りなどを練ってみる。龍腰は敢えて遣わないやり方に改変しているので日本人にも馴染み易い。拳術として使うためには龍腰が無ければ意味がないが……。
 型:鬼拳・引倒・後手首持ち
鬼拳:先週に引き続き稽古。基本的な手解の稽古と胸と肘の緩みを学ぶのに良い感じ。受け手も立てることで守ることを学ぶのに適しているので先人たちの工夫に頭が下がる。稽古の雰囲気が良かったので拍子取りも踏まえて稽古してみる。
引倒:体重と重心の移動が一つのポイント。座している受けの腰を崩す一つの方法を学ぶのに良い感じだったのは面白い。結果的に受け手の感性も育てることになる雰囲気もあったので工夫してみても良いかも知れない。
後手首持ち:肘の緩みにフォーカスして崩して半身で斬り落とす。これも縦の体捌きをしる為の動きになるかと思う。結果的に龍形の手形も役立っていたので稽古は面白い。

 剣術:切落から。左右の打ち込みも少しずつ慣れてきた雰囲気が出てきたので何より。バランスを取る為にも。
 型稽古:陽重刀・中眼刀・右旋刀・左転刀
これまで培ってきた基礎的な技術を土台に構成を組んでいるので、まずは形と流れに慣れていくことが大切。そこから精度を高めながら細かい技術の向上も。流れを観ていると会員諸氏それぞれが中心を捉えて動くことが良くできている。相手の動きに部分で過剰に反応し易いが慣れてくれば制御も問題ないもの。打太刀・仕太刀の役割を体感で学ぶにも苦心しながらも流れは良い。動きの境界線が曖昧(ある意味、共感力が高い動き)になっていたのは反省点だと強く感じている。軸の独立と合わせは向き合う上で大切なことなので、稽古をとおして練っていかなければと思う。