古武術稽古会柳心会2024年09月07日稽古録
8月の気付けば過ぎて9月へ。稽古は小太刀から二刀稽古を中心になるかと思う。小太刀稽古で会員の動きも少しずつ変化してきてこれまで培ってきたものが表にできて稽古毎に感心しきり。中級以上の会員も剣術に限らず柔術・居合・杖の稽古に通じる事柄への理解が浸透してきた感じ。楽しみながらより深く面白い稽古ができればと思う。
杖:組杖を一通り流して各ポイントを押さえながら稽古。四本目の富嶽での打方への捉えもそれぞれ良い感じになってきた。稽古でしっかりと身に着けて貰いたいのは、向き合う相手への捉え(中心)この感覚・意識できるようになることで稽古の土台となる。五本目の大山では打たせる場所を見せられるようになってきたが、あと一歩。間合いの外で現すことで打方をコントロールする。この感覚と打たせる誘いが大切になる。よりしっかりと見せることで、払落しをする余裕がうまれる。
剣杖:前回から始めた一本目の動きと理合の解説から。杖先を合わせることで打太刀を押さえる。この歩み寄りが最初の関門となる。漫然とよりらず固くならず、差し伸ばすように淀みなく。打ち拂いと付はそれぞれまずまず。
体術:足の入替は通常と腰を落した姿勢で練習。これも半身→向身→半身の変化を最小で現す・内在させていく。楽に行うが遣るべきことはしっかりと意識して。
小手返:この日は腕の軸に螺旋を縦にかけるこで崩すやり方を研鑽する。手首・腕の筋に捩じれを入れるのでなく軸を意識して、適切に各関節・皮膚感覚に流れを伝えて腰から下肢へ崩しをかけていく。ある程度の感性も必要とする稽古も成り立ってきたのでまずまず。
転身:先の稽古を踏まえて縦に転身することで崩しをおこなう。ポイントは受けの肩を先に落さぬこと。転換・転身の違いも伝えていかないといけないと思う今日この頃。
背落:受けをする前段階の意図と心身の状態について少し説明。受けは受け過ぎず・受けなさ過ぎず適切にふるまう。取の動き(流れ)を現すことが大切。崩される・抑えられるというのは結果に過ぎない。その過程のあり様をそれぞれ大切にしてもらいたい。
剣術:切返・中心立から。一部小太刀稽古の悪い部分が見えて稽古のやり方について反省する。適切に稽古を積み上げられるように絶えずおこなっていかなければいけない。
小太刀:波立・受流・請流・入身
波立:当拍子の理解も徐々に進んでいる雰囲気。打太刀に当たり負けている感じもあるので、固めずに柔らかく切先をいかして。間の捌きも良い形がとれてきているのでよりラインを感じて三角形をつくれるように。
受流・請流:表裏なので遣るべき動きと表現の違いを理解してもらえればと思う。軸の位置と腕を遣わずに柔かを心掛けて貰えればと思う。
入身:基本の形としては構えは変えない。打太刀次第の部分もあるがまずは基本を大切に出来るように。強固な構えと体の入替の一致が大切。打太刀の技量も問われるかな。
二刀:向満字・横満字・双捲
構えと受け方から。刃の方向について質問があり少し解説。その流れをうけて双捲を練習する。
向満字:受ける形と二刀になれることから。受け方ひとつで見え方・打太刀への押さえが変わることも。古傳で良く見える形の意図もすこし。なかなか難しい技術をさり気なくちりばめているあたりに深さを感じる。
横満字:稽古中に会員から提案があり、その形で暫し練習してみる。稽古をしながら目が開く思い。これは気が付かなかった!!形の持つ力強さとその過程がとても大切だと改めて。
双捲:百八十度転身するという言葉を素直におこなってくれて、完全に崩されてしまった。打太刀の太刀筋次第で、仕太刀側の要求が変わることも伝える。様々な太刀筋で稽古することで捲る技術も向上できるかもと思案……。
居合:両手を押さえた形で下肢の使い方を練習する。腕よりも下肢の使い方を優先できるように丁寧に積み重ねていければと思う。