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徒然稽古録~88~

 古武術稽古会柳心会2024年09月15日稽古録

 この日の稽古場は数年ぶりに利用する施設。ぼんやりとしている記憶を頼りに残暑の日照りを受けながらてくてくと。亀有香取神社の例大祭が行なわれているので、街中は静かな熱気に溢れている。日頃は気にしないちょっとした景色の違いを途中楽しんだりと。

 杖:半身による体捌きを使った多敵の位を久しぶりに練習。一見すると杖と身体をバタバタと振るっているように見えるが理屈とやり方が有るのでそれを踏まえて。ポイントは杖の両端と立てる杖捌き・体捌の一致。四方に人を置いてゆっくりとポイントを意識しながら行なう。
 組杖:愛宕・浅間・赤城
 愛宕:杖の捌き方を中心に稽古する。肘の緩みと交点の意識がどの程度出来ているか。打方は真直ぐに突いてくる、恐れる必要はないので、適切な杖の角度と体捌きの一致。
 浅間:受け抑えと肘を伸ばした袈裟打ち。ここ最近改めて意識改革している左腕の伸ばし、これは杖に限らず剣術でも大切な技術なので何度でも確認していくように。
 赤城:誘いと杖による切り上げ。切り上げの部分は文言だけでこれまで然程気にせず指導してきたが、これからはこの辺りも気を配りながら出来るように。誘いの雰囲気も決めつけない動きで、ときどき良い雰囲気が出始めたので良い流れ。

 体術:膝の緩みのポイントを明確に示して、丁寧にそれぞれ身体と対話してもらう。それを踏まえて崩しの稽古へ。手本でみせた動きを技と勘違いしている雰囲気があったので、明確に否定して動きを丁寧にするように。技を支える根底の技術(動き)の一端に過ぎない。
 受け手がいると技と勘違いして受け取ってしまうことがあるので、教導する上で気をつけるポイント。型の形式を取らない場合は、動きの核を学ぶモノとして伝え練習・稽古。
 胸の遣い方:稽古中に動きの質問があり(歓迎!!)その流れで、胸の遣い方の練習へ。首筋からの袈裟切を中心に。腕で引かずに胸の働きの結果として切になるように。結果を先に求めない意識も大切。
 手解肩返:この日の主題であった膝の緩みを遣って崩す。この技は様々な掛け方があるので稽古毎に主題が何処にあるのか各位の見る目が問われる。手順と基本は変わらなので、見る目を鍛える気持ちで。

 剣術:正面素振り・廻剣を丁寧に練習して袈裟打・受けの練習へ。両腕の伸ばしを主題にそれぞれの動きを適時直していく。切返は打ち込みの強さ・速さよりも剣体の一致を第一に稽古を重ねて貰いたい。両腕を伸展した状態で体捌きを意識して打ち込む練習も。上の段階に入ると引きは誘いと隙になるのでその辺りも気をつけて。
 重さ:重さを掛ける練習を久しぶりに。この技術は打ち留められた一瞬に必要になる技術だが、重さの習得が結果的に刀に速さ・早さをうむのでゆっくりでも着実に。各位、中心への捉えはまずまずだが袈裟のラインに変換できないようす。ポイントは後膝の開きが大切。股関節の遣い方と意識も伝えてみる。
 型稽古:基本組太刀一本目
 稽古の流れで遣り取りを工夫してみる。稽古の目的とそれぞれの段階的な工夫が出来るように。やり過ぎると砕き・変化となって定着してしまうので、原点を間違えない様に気を付けて