古武術稽古会柳心会2024年11月04日稽古録
今年もあと二か月、年が明けたと思い、夏が来たと感じ日々時が流れる中で変わらず稽古が出来ていることは有難いこと。年内の稽古は毎回基礎・基本を見直しながら積み重ねで進めていければと思う。
杖:緩みを主導しながら松風・巴・廻杖を組み合わせてゆらゆらと形を決めずに舞杖入門といった雰囲気で動いていく。舞杖は苦手な動きであったが振り返ると緩み・道具主体で柔らかく動くといった基礎の土台を作るのに非常に適している。伝える中で変化した学びの一つかと思う。
両端をいかす:当会で杖(長物など)を使う時に意図して貰いたいことの一つ。先に有るモノは意識しやすいがそれをささえ有用に扱うためには反対の部位を使うことは非常に大切。道具を扱う上での濃淡の学びでもある。縦回転の基本稽古でその一端も練習する。
組杖:浅間・赤城・富嶽・飯縄
浅間:縦移転の身法を中心に練習する。肱先から指先での空間把握と足先での進行方向制御などを型の中で練っていく。特に見えずとも中心を把握し捉え続ける意識の養成は大切。
富嶽:中心の押さえと肩抜は表裏なので、個々の研鑽で丁寧に深めていって貰えればと思う。どちらが簡単・難しいではないので。立てる技術の基礎にもなるかと思う。
飯縄:巻落からの体捌きは三種類ある。その三種類の効果を説明する。特に引き込む動きは対応が未熟であると取られやすくなるので注意が必要。来年は飯縄の巻落・弾きの技術向上を進めていければと思う。
体術:金剛指から。軸を維持しながら指先から濃淡の変化で身体を緩めていく。張ることは繋げる効果もあるのでそれも少しずつ意図して貰えればと思うが。身体を硬くすることが目的ではないので注意が必要。緩みの延長で縮地の基本的な身体遣いを練習する。(個人的にはそろそろ師匠が見せてくれた動きの一端を自分が表現出来ないといけないなぁ……)軸の傾斜と膝の抜き。受身は前受身と返し・後廻りの連続など練習。
前受身:基本は緩みから真下で受けを取る。その次に少し前で受けが取れる様に身体を扱う。両足を後方へ退くようにみえるが、片足だけ送ること。
構え・入替:上の手は上体を護り・押さえる。下の手は下肢を押さえ・支える。そのバランスと軸線の一致。入替は半身・向身・半身の段階を踏むこと。中心を護る意識が先行して肩を丸めるなどの余計な形を取らないように気を付けて。
小手返・腕返:この日は小手返の軸取から、肩への抜き・手首→肘→肩→中心→下肢(腰)への崩しの流れと掛からない要点を稽古の中で伝える。特に文言として「中心を捉える」とはこれらの動きが内在していることを理解する。腕返は小手返で見直した縦軸からの崩しを横軸に転換する意図が大切になる。また肩は崩したうえで真下に落すことが求められる。
固めた相手への掛け方について:一般的な体術・柔について少し雑談する。個人的には固定した相手に素直に技を掛ける必要を感じないが一般的にはそれができると評価が高くなる様だ。固める動きは自然な反射なので稽古する人は緩める努力が必要になる。それでも表にでるのが反射なので……。
剣術:構えから構えのへの変化する際に、ただ動くのではなく体のどの辺りを緩めて形をつくるのか?剣術は構えから構えへの変化の結果といえるので、各構えへの変化は基礎稽古として実はとても大切。
正眼構寄待:待ちへ真直ぐに構えを崩さずに歩み寄っていく。刀の隣接時に構えが崩れずに入っていく。自分自身まだまだな雰囲気、これからより丁寧な稽古が必要。基本は立てて中に入り、三角形を形作る意識と表に現れる身体。
切返:寄り待ちの意図を踏まえて稽古する。この概念は型稽古を支える基礎の部分になる。剣体一致と中心の捉えを活かす。
中心立:剣術における受けの表現についてアレコレと段階的な立てかたについても少し解説する。出来ることを踏まえて次の段階に入っていくことが、稽古を深めていく。
型稽古:華車刀・三角切留
華車刀:足切からの腰切、寄り・待ち太刀共に刀を縦に使うことが大切になる。目線で打つべき場所を探らない。
三角切留:寄り太刀は歩数と打ち込みを一致させていく。ポイントは足幅を広く使う。待ち太刀は先ず後傾と肱の緩みで軸線上に刀を送る。その上で、待ち太刀は足を引かずに受け流しの姿勢を作る。待ち太刀は足運びを出来るようにする。