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Blog 稽古録

徒然稽古録~94~

 

古武術稽古会柳心会2024年11月09日稽古録

 体術・柔:足の入替について久しぶりに助言してみる。稽古における下肢の緩みを養成する大切な稽古であるが、基本的なやり方を指導してからは何も云わず各位に任せ上達を促している。基礎・基本稽古期間中で上位者しかいなかったので、幾つか工夫の仕方を伝えてみる。意図が伝わったのか動きが変ったのでまずまず。ただこの動きだけのモノではないので他の様々な動きに工夫を凝らして欲しいと思うが……。
 受身:この日は後受身の意図と基礎から。やり方は前受身と同じで腰を丸めて柔らかく受ける形が基本となる。そこから一段階上のやり方は胸を平らにして真下に受けを柔らかく取る形となる。股関節の柔らかさと後の意識が必要になるので各位に任せている。基本的に後ろに受けを取る恐怖心受け入れて稽古を重ねていくしかない。
 構・体の入替:立ちでの基本構えの形と目付・意識など深めてから、体の入替へ。半身→向身→半身を丁寧に連続して形をつくる。この動きが本当に身に付かないと柔術にはならないので真剣に楽しく見つけて貰いたい。ポイントは、①中心を空けない②下肢から動く③軸を崩さない④緩みながら。
 側面入身:この日の主題の一つ。対人で構えから真直ぐに体を入れ替えて入る形から練習。相手の軸線上に真直ぐに入る感覚を養う。次に受け手の側面に半身で入る形の練習へ。ポイントは、①膝を緩めて下肢から動く②腰をしっかりと密着させる(これがなかなか身に付かない!!)③側面から受け手の中心を捉える。最後はこれらの動きを側面入身崩しで。
 側面入身崩:基本の動きを丁寧に行ない、最後に肩を開いて柔らかく中心へ真上から圧をかける。
 正面入身:体術の主題その二。向身で真直ぐに入る動き、単純に云えばそれだけのモノ。本質は側面入り身の稽古で確認した動きと何ら変わらない。中心を拳で押さえられた形から。受け手の拳を中心から外し真直ぐに体を動かし真横に入る。この時に受け手の身体から外れないことが大切。腕を袈裟のラインで沿わせ、足を受け手後方斜めに入れて崩す。
 正面突き躱し入身崩:先の稽古を受け手の動きから技をかける練習。ポイントは受け手が動いてくれるのでそれをいかして技にする。限定された動きなので、慌てずに丁寧さを優先にすれば難しくないので他の稽古でもいかして貰いたい。

剣術
 素振り:正面斬りは、①肱の緩み②刀は立てる③切先を落さずに臍下まで斬りきる④軸を崩さない。前を斬ろうとして腰が崩れがちになるが。前を斬る時は足を使うこと(当会の動きの基本となる)上段斬付は①左腕を伸ばし、結果右手も伸ばす。猿手にしない②上段の構えから切先をいかして付ける③足幅は広くする(各位の段階で練習する)廻剣は①肘の緩み②刃を立てる③数をこなして身体に沁み込ませる
 受け流し:受けの形から。交点が出来た段階で、足を前足に寄せて額に交点を当てる様にして交点を下げずに腕を緩めて打太刀を流す。この際に刀(流す側)は肩に対して平行となっているのが良い形。一足一刀の形でなれたら、打太刀・仕太刀に分かれて技の稽古で、体捌きの練習。
 古傳(復元)型:受流の稽古に適した型を久しぶりに。打太刀側は仕太刀側の肩の抜きに関しては、抜かずに中心を詰める形にして易しくする。段階的な稽古で積み重ねたのでそれぞれ良い形を見せてくれた。

居合:抜く前の寄せについて少し稽古する。この寄せは初心の頃は敢えて大きくして稽古する。鞘を引き動かし縦に落し、そして肘の緩みを学ぶために。上達するに従ってその動きは短く小さくしていく。消える訳ではないので勘違いをしないこと。
 稽古で大切なことは言葉を適切に捉え意図を掴むこと。他者か自分か、今の自分に適した要求か遣るべきことか磨くべきことが目指す方向かなど。