古武術稽古会柳心会2025年3月08日稽古録
体術:稽古場が畳という事もあり、坐技呼吸法・柾目返を中心とした技の集中稽古を短い時間だが稽古する。この日は通常のやり方で技の練習。特に受け手においては、取りの腕を握る感覚の試行錯誤がとても大切になる。腕を握るうえで、道具と同じ感じで持つ・握る・触れているか……。
坐技呼吸法:腕を直角にした状態から、詰め上げ片方に抜きを掛けて中心を捉えて崩していく。 その際に動きを分けずに同時に行うようにしていく。
柾目返:抜き・詰めの動きをそれぞれ確認してから、受け手の状況を観て・捉えて掛ける。受け手も稽古の流れで間を取る形も踏まえてやっていく。
詰め上げ:三角入を使った技の掛け方も練習する。
これらの技の稽古で大切なのは、崩す動きよりも早く軸が動かないこと。稽古者は自分が前のめりになりすぎていないか、都度稽古中にチェックを心掛ける。

柔術:身体の前後・側面を伸ばして、通常稽古へ。軸作り・膝の緩みをおこなってから、緩みの延長で中心押へ。掛け手は中心押、受け手は継足の練習。
握手崩し:受け手は崩しをとおして後受身練習。肘への働きで受け手の肩へ繋げ、下肢への崩しを誘発させる。小さい動きで掛けずに基礎の動きで達人技は不要。
仙骨落:こちらも後受身の練習を兼ねる。取は柔らかく丁寧に働きかけていく。圧は一定に引き寄せ過ぎずに。受け手は膝を柔らかく使って、後頭部を守りながら受けをとる。
手解き(カスミ当て):手解きの基礎練習。受けは持ち手の練習になるかと思う。乱暴に外さず柔らかく遣る様に心掛けながら。
鬼拳:手順通り行うことを心掛ける。本来手を外すという事は生易しい事ではない。それを踏まえた上で丁寧に理屈を学ぶ。
両手取:肩への抜き落しにフォーカスして、極めの一例も伝える。先ずは数をこなして身体に覚え込ませる。余裕が出てきたら細かい点を修正できるように稽古方法の工夫をする。
小手詰:何回か間取りの打ち込みをしてみたが、それぞれ良い反応をしてくれたので良かった。前足を引く動きは事故防止の為に今後も徹底していければと思う。

剣術:天井が低い稽古場での廻剣は良い稽古になった。背中を柔らかく、切先をしっかり落として大きく立てて斬り下ろす。素振りの中で上段の打ち込みも。
打ち受け:上段からの打ち込みには、しっかりと体を入れて重さを出していく。受けは、上半身・下半身を丁寧に遣い、切先を活かして受ける様にする。
中心立・格子:中心立が程よく出来ている会員は、そこから格子をしてもらう。立てる動きと胸の緩みの一致。速さは緩み具合に合わせることが大切で腕力で遣らない事。
型:基本組太刀1・2本目・引疲
基本組太刀1本目:足切りの受けと切は、互いに手を抜かない。流れに任せて悪い意味で適当に遣らない様にする。仕太刀は、下がる足遣いを身に着ける。
基本組太刀2本目:初伝遣いと本来の遣い方、段階を踏んで行なっていることを再度伝える。車之打は稽古するしかないので、一つ一つしっかりと丁寧に打つこと。
引疲:稽古後に自分の動きを振り返って、大いに反省。やるべきことが抜けていたので今後はこの様な動きをしない様に稽古を続けていくしかない。第三者目線はとても大切。

居合:床返・坐居合七本目を見直し。刀の寄せと左足の撞木遣いを身に着ける様にしていく。軸による浮き出しもより柔らかく出来るようにしていく。後半は各自課題を稽古。居合は基本的な手順と概念を教わったら自主稽古が主となる。軸・緩み・場の捉え・相手の想定・切先の意識、これらを自分の段階に合わせて織り交ぜて稽古を工夫していく。ただ何となく抜くのではなくその都度何かにフォーカスして抜いていく。抜けない淀みで動作を止めて戻るのも稽古となる。抜くことだけに拘らないことも大切。