古武術稽古会柳心会2025年10月11日稽古録
先週から基礎・基本居合型をゆっくり統合・修正中なこの頃。先立って前回の居合・剣術稽古で一本目から五本目まで紹介と稽古をしてみて要点がみえた。動きを修正しながら良いモノに出来ればと思う。(三本目は実際に抜いてみると難しいな……)
杖:膝の緩み・廻し杖・松風・上打・切先返・袈裟打(単独・相対)・一人杖
組杖:五本目・六本目
体術:螺旋崩(緩み)・構え・前廻受身(半身)・受け方について
居合:一文字抜・腹抜・(仮称)表一本目~五本目・各自課題型
剣術:二刀剣術 二刀捌き・向満字・小太刀立・大太刀立・柳雪刀・正眼破

杖:
膝の緩みから廻杖各種へ流しながら、舞杖的に少し動く。杖の両端を活かしながらゆらゆら動くことは、身体を稽古的な流れに移行するのに適しているなと改めて感じる。廻杖で半身の身遣いについて解説する。何となくやるのではなく、それぞれが一つでも意図して動いてくれれば、それがやがて実になるので、稽古・練習してもらえればと思う。
半身遣い:
杖を左右に廻していく単純な動きでも、身体の要所を意識して、丁寧に折り畳んでいくように使っていけば半身の体捌きとなる。横に振るのではなく、縦に使う意識の基礎鍛錬へ変わっていく。
素振り:
基礎を大切に振っていく。仮想の相手を意識できるかどうかが、この手の稽古では大切になる。漠然とイメージせずに、明確なイメージを持てると打込みも変わってくるので、工夫してもらえたらと思う。
組杖:
五本目を題材に稽古を進める。この日の題材は、半身の歩みと構えだったかと思う。当たり前の身遣いではあるが、表に出して課題にすると意図がはっきりして良い効果があった。それぞれ動きが良くなり、型の形が取れるようになってきたのは良い副産物であった。松風での打ち払いにおいて、方向の違いで体捌きの難度が変わるのは良い発見だった。あまり意識したことではなかったので、良い学びとなった。

体術:
この日は、上半身を緩めるために螺旋を伝える動きで解してもらう。Zさんが四方投げ的な身体への働きを潰し、Kさんが流れに乗って返っていき掛からない動きは、改めて自然で良いと思う。その自然な反応を殺すために、関節を極め、捩じり、痛覚でごまかすのが一般的な動き。それを自覚して当たり前と捉えた上で、稽古上の訓練・学びだと正しく認識できないと、不幸につながる。
前廻り受身:
この日は、いつもと違うやり方で受身を練習する。より半身と縦に身体を遣い、全身を協調一致して使う形になったかと思う。私も久しぶりに行ってみて、身遣いの修正点が見えてきた。起こりが出てしまう部分の処理がこのやり方の難しいところ。どこまで許すか……。
居合:
腹抜の抜き方を、各位鏡を使って見てもらう。楕円の動きをせずに、直線的な形が取れているかどうか。当会の抜き方において、右手の動きをいかに小さく目立たずに柔らかく抜いていくかが、稽古上の大きな命題となる。そのために、時々しっかりと確認する術をそれぞれ持って貰えればと思う。

(仮称)表居合:
一本目から動きを解説していく。動きとしては付・切、二の切、納刀の単純な構成で組んでいる。その上、坐居合に繋がる居合となればと思うがどうだろうか。三本目、自分で抜きながら難しいなと感じる。昔からよく抜いているが、「モノを知らぬというのは良くも悪くも」といったところか。五本目の中取からの摺り落とし、撞き込みは会員には新鮮に映っている様子。付・切るだけではない技術も少しずつ伝えていければと思う。
剣術:
二刀剣術型の体捌きを基礎練習として動いてもらう。特に向満字の太刀の抜き方を曖昧にしすぎているので、各位単独動作でよくよく見直してもらいたい。身体の分離が必要になる要点の一つなので、大切にしてもらいたい。
立てる技術:
小太刀・大太刀立で中心に立てることの難しさと大切さを指摘していく。「ただ上げて下ろす」という、最短の動きもこの働きがあればこそ成り立つと考える。まだまだ深掘りできる技術の一端を二刀の形で改めて感じ取っておいてもらえればと思う。
柳雪刀:
小太刀での誘いと大太刀の協調・一致の技術が必要になる型。体捌き、半身の学びとしても面白い型なので、単独動作から練習していく。切落と体捌きを解説を交えながら、一足一刀の間合いを維持しながら練習していく。この型の最初のポイントは、小太刀・大太刀の連動と体捌きを一致させるところにある。型としての間合い・拍子・中心への捉えなどは、その先の技術となる。
正眼破:
片手での袈裟打ち(切落)を踏まえての型なので、先の柳雪刀をある程度稽古してから入ると良い型といえる。派手で迫力がある型なので、変わらず受けが良い。正眼という強固な構えを崩すために何が必要か、流れから感じてもらえると学びの一歩になるかと思う