柳心会の稽古では、力を抜いた表現として「緩む」という言葉を多用します。一般的には心身の力を抜く事は「脱力」という言葉で表すかと思います。「緩む」という言葉は、私が師匠の元で学び始めた時から知り使う様になった言葉です。それまでの経験では脱力、放松などの言葉を多用していた様な気がします(特に脱力は流行もあり一般用語としも定着した感があります)
稽古の流れとしては、それぞれの場で単独、対人稽古を通して「脱力と緩む事の違い」を体感、理解して、緩みを研鑽していく。「緩み」と「脱力」の違いは「バランス」と言えるかと思います。緩みは、力の出力と入力のバランスが相手に対して最適である状態、脱力は力を放出し相手に対しバランスを放棄した状態。この違いが判り始めると稽古が同じでも個々の学ぶ内容が変化し始めます。
緩む事を学ぶには、互いに相手と向き合い、動く際の基本事項を守りながら丁寧に動く事が最初の一歩となります(個々の段階があるので今できる事を最善にして貰えれば)その様な形で、稽古を行えば、相手が教えてくれます。それを感じ自分に還元して貰えれば有り難いです。