古武術稽古会柳心会 230415 稽古録
杖:杖の持ち方、杖先をどの様に扱うか袈裟打ちの基礎などを確認。各動作に慣れてくると道具を自然に扱えるようになるが、その際に本来注意して扱うべき身体の部分が曖昧になることがあるのでそのあたりの注意も踏まえて。これは初心者・習熟者関係なく、丁寧に日々の稽古の中で確認すべきことなので大切。
稽古中に「中心への捉え」と「相手の軸線上」へ動くことに付いて質問があったので解説。
中心への捉え:当会においては対象者に対して意識の働きかけをする際の主要なポイント
相手の軸線:対応者へ働きかけをするさいに自身の動く指針となるライン。
これら二つは、稽古時に一言に纏めて話す場合があるので、少し混乱させていたかと思う。※この日の稽古は、この辺り重点をおいた稽古になったかと。
組杖:1-3本目
2本目:仕方の杖先から打方の中心を捉えて、打方の軸線上に仕方は足先を向けて縦回転で杖先を打ち込む。この際に仕方は自身の足先が何処を向いているか確認修正が必要。足先が進む方向になり易いのでよくよく注意。
3本目:仕方は誘いを掛ける際に、打方との間合いを測りポイントを決めて誘いを掛けないように。誘いは立ち止まらずに歩みを留めずに懐に入るかのように。
柔術:軸の立て方、意識の持ち方、腕と呼吸を一致させた呼吸法など身体の土台となる部分にフォーカスして稽古。足の入替はやろうとせず気配を極力ださずに動けるように。これは準備をしないことにも通じるので、毎回の稽古で確認が必要。
歩法:軸の傾斜・下半身の緩みを中心に身体を崩さずに歩む。歩み方には様々なやり方があり、昔も今も心身を扱う上で大切な技術の一つ。ぶれない強固な軸をもった歩みを作るのではなく柔らかくいつでも崩れることができる要素をもった歩み。整え正しく矩にそった軸・歩みも素晴らしいが、いつでも崩れる緩さと柔らかさを持つ身体というのも稽古をとおして感じて貰えればと思う。
坐技呼吸法(1):取りは腕を90度の角度に置き、その上で手首を持たせて肱を緩め肱より先を立たせて受け手を崩し抑えていく。腕を立たせる際に如何に余計なことをしないかが大切。
坐技呼吸法(2):取りは両手を両膝の少し後ろに置いて、手首を取らせて肱を緩めて立たせていく。この際も(1)の要点を守って丁寧に動く。この段階の稽古時に受けの拍子・間を取る、自身の身体を緩ませる等の技術を使わずにまずは自然にできる様にすることが大切。受け手を抑えることが目的ではなく、働きかけとしての自身の技術を高めることが第一にして貰えれば。
坐小手返:坐技呼吸法の動きを遣い、受けの小手を返して崩す。技法の関連性を感じて貰えればと思う。
剣術:各構え・素振りとそれぞれの要点を確認。車之構えから車之打をするさいに切先の位置が自身を守る位置である様に。どの打ちも打ち終わった姿勢・形が自身を守れているモノでなければいけない。下まで斬り・打ちきったものならその構えは下段の様でなければいけない。攻守は絶えず一体のモノとして捉えできる様に。
型稽古:華車刀
始めの切返が、待太刀の中心ではなく太刀に向き打つべきところを決めたポイント打ちになり易いので基本を忘れずに。ポイント打ちは一見すると流麗で良い形に見えるが、実を捉えていないことが多く、躱され易くもあるので注意が必要。足切りから腰切の際の捌きは、直線状の動きを踏まえた捌きとなる様に。腰切は、手首斬りに変化していくので。
居合:この日は居合で学ぶ付や斬りを体術(素手)でおこなうとどの様な形になるか確認。抜くための身体運用や意識の持ち方などが、どの様に柔術・剣術で活かされるのか。そのあたりも居合の稽古で培う大切な部分でもある。
付:胸を持たれたところから、抜き付の体捌きで突き入る。上半身の柔らかさと下半身の入りが一致することが大切。
斬り:胸を持たれ、柔らかく静かに受け手に対して斬りを入れて崩しを掛ける。
これらの技術は掛かる掛からないに囚われずに、相手と向き合い自身の動きを丁寧にすることが学びになります。