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徒然稽古録~32~

古武術稽古会柳心会 2023年08月05日稽古録

 杖:廻杖・各種素振りから一人杖へ。表・裏を各自しっかり稽古してから久しぶりに相対稽古。一人杖は前後に人をおいて打ち込み稽古ができるので、対人意識が掴める。各ポイントを説明しながら順次練習。この相対稽古で前後にいる相手との間合い・拍子・中心の捉えなどを単独では掴みづらい部分を深めてもらえればと思う。各自の距離感がわかり指導する側としても良い稽古となった。

型:組杖1-3本目

 各自の動きから型のポイントを厳しく確認。打方の癖による捉えの変化を少し解説。道具と身体の動作が一致していれば問題ないが、そうで無い場合は仕方が迷い勘違いする部分でもある。ただ上手い打方なら敢えてずらすことも稽古の工夫としては良くある。自分の動きを振り返るきっかけになれば良いかと思う。

1本目:打方の動きは単純明快なので、仕方は動きを良く見極めながら間を捉えて捌き躱す。身体が少し速いと捌く部分を捉えられるので注意が必要。

2本目:打ち返しをする際に道具同士の交点を緩めないことが次の段階へのポイントの一つ。すべからず打方(打太刀・受けは反撃のきっかけを絶えず求めている)の返しを忘れない様に。

3本目:打たれる間合いと誘いを一致させる。この型の大きなポイント。当たらない間合いで何をしても打方には関係ないことを忘れずに。

 柔術:金剛指から膝の緩み・歩法・縮地歩法へ。縮地歩法で大切なことは、膝を緩めて、その崩れを利用しながら流れを作り歩む。昔、師匠の動きを観たことがあるが、足が切れることなく繋がりながら進んでいるのを拝見して驚いたのは良い思い出。

坐技呼吸法:肩の抜き・詰めを掛ける際に受け手の状態を感じ取りながら、掛け続ける様に動かす。

小手返:肩の抜き・スライド・螺旋崩と動きを分解しながら練習。螺旋で崩す際の受け手の肩は真下へくる様に工夫が必要。最後は各動作を一拍子に繋げて型のようにして、小手返を掛けてみる。

 剣術:構えの取り方として、後ろ脹脛に人を載せて構えてみる。前後左右と道具でバランスを取って構えをとる。強固であることよりも絶えず崩れる要素があることを大切にしたい。袈裟打ちの確認・切返・受けと練習して華車刀(一)の分解稽古へ。

 華車刀(一)
①上部への三連撃②足切③腰切と分けて部分練習。
①は切返で要求される要素を踏まえてより上体に意識を向けさせる打ちになる様に。
②は①を踏まえて足切を適切な間合いで打ち込み、打太刀の姿勢・意識を下へ崩す。この時に間合いが近いと逆に足を切られるので注意が必要。
③②の動きから太刀を縦に立てて軸線上を守りながら、受け流しの要領で返し打太刀の腰へ切込む。
仕太刀は腰切より大切な体捌き・太刀捌きをものにしてほしい。腰切は結果でしかないので。
 華車刀(二)
 一を踏まえて二へ。寄太刀はより構えからの寄りを大切に。待太刀は寄太刀が打ち出す動きの間を取る。この型で求められる要素を身に付けて、初めて型稽古を深める段階へ入っていく。中級者から上級者への関門となる。

 受流:下段構えから脇受けで受け流しをしてみる。通常は上段からの打ちを受け流すがこの日は違うやり方で。八相での受ける形を軸線に合わせる形で受け、打ち込みの流れ(ライン)で受け流す。右旋左転の導入としても良いかも知れない。

 居合:一文字抜から各自課題の型稽古。股関節の緩みを再確認してから、抜きが良くなってきた感じ。切先の意識・肘・膝・股関節の緩み・軸を立てる・中心と動きの間などの基本的な要点を守りながら各型の流れに身体を沿わせて動いていく。動作の美しさは求めるものではなく結果として表現できれば十分なので、先にフォーカスするべきことではない。単独で抜きながら相対している動きを求める。やるべきことは多々ある。居合は型の手順を覚えたら一人稽古となる。自分自身と向き合い、創意工夫を重ねる。ただ一人では迷い込むことがあるので、他者がいる場に身をおくことも大切。