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徒然稽古録~19~ 小太刀と二刀

古武術稽古会柳心会 2023年4月29日稽古録

G.W.の前半も始まり。今日の稽古は小太刀と二刀を久しぶりにやろうかと思いながら稽古場へ。さてさてどうなるかなぁ。

 杖:膝の緩みから廻杖へ。袈裟打・切先返・縦回転と基礎の動きを丁寧に一つ一つ確認。動く際に大切なことは、上半身・下半身をばらばらに扱わず一体としながら有機的な繋がりをもったものとして認識し扱うことが大切。打ち込む際に上半身(視野)が優位になり前のめり気味になりやすい人は距離感が適切ではない可能性が高いので、間合いを丁寧に確認する様にすると良い。
 切先返しから縦回転の動きは、舞杖・型稽古で多用するのでこの日のやり方は分かりやすく動きの見直しに良いかと思う。実際の動きは、速く小さく動いていくので、大きく表し明確にすることで自身の感覚や細部を確認することができたかと。

 居合:今月から導入した一文字腰での基本抜きは、膝・股関節の柔らかさ・鞘落とし養成に良い感じ。壁抜きでは撞木開きの際に曖昧さを含んで抜く様に。この辺りの感覚を自身で掴んでもらえれば次の段階への橋渡しになるかと思う。大きく・小さく・速く・遅く・静かに・荒くなど対となる感覚をそれぞれ磨きながら繋げて自身の抜きになる様に。居合は型・形を覚えて抜ける様になればあとは自己学習が中心になる。そのための準備も大切なことかと思う。
 型稽古:正面切・月影・坐居合各自課題
 坐居合五本目:この型の大きなポイントは、後ろに向きなおる際に廻らずに縦の動きで抜きつける動きとなります。この動きを学ぶことが最初の勘所となる。ポイントとして、体幹部と頭部を分離させないこと。気持ちがはやると気づかぬうちに分離していることがあるので注意が必要。
 坐居合八本目:切先返しからの二之斬りに際して、廻らないこと。胸の落としと開きを一致させて、体の入替で消してゆく。

 剣術:正眼構えから正面切素振り・廻剣と小太刀・二刀で大切な肱の緩みを素振りから見直し。特に廻剣では、刀と腕の位置関係を少し解説。ただ廻しているだけでは、動きに直結しないので各自の自問自答が大切。受け流しにも繋がるので大切にして貰いところ。

 小太刀:波立・受流・切落
 波立:まずは半身構えから小太刀を立てながら切先をいかして寄ってゆく。この動きは非常に大切な部分。そこから太刀を受け、柔らかく受け外し半身で捌き太刀を立て付ける。受け外す際に太刀に固さがでるとそこをとおして打太刀は仕太刀を感じ追ってしまう。柔らかさとは何かの一端を感じて貰えれば。
 受流:太刀同士の交点をいかして、半身で入り太刀を落とす。初段階では、太刀落とし→体落としへと変化し受けを消してゆく。この段階になると間が大切になる。
 切落:大太刀・小太刀の違いによる動きの変化と中心を取ることの大切さ。拍子を合わせながら間合いに入り込み、中心を割って入り体を捌き詰める。道具の長短をどの様に解消して勝ちを得るか単純な動きの中で学べるので良くできている。

 二刀:満時受・柳雪刀・鷹之羽

二腕の一刀に対して片腕の一刀ずつでどの様に勝ちを得るか。速く重い太刀を片腕で受けることの難しさと受けの単純さをまずは感じて貰えれば。そこから交点の作りと体捌きによる太刀の抜きと斬り付の動き。
 満時受:二刀で交点を作り受ける形をつくる。形に騙されて二刀で受けると失敗する。一刀での受けができないと実は成り立たない。二刀でありながら一刀の動きができていないと型にならない。だからこそ小太刀→二刀と学ぶ意義がある。(臂力がとても強いのであればその限りではない。単純な力は技術を凌駕することは多々ある)小太刀側を立てる際に引く・緩むなどの動きをすると太刀に追われるので注意が必要。
 柳雪刀:この型は、前後の連動と太刀を正しく真直ぐに扱い切落をかけて、太刀を割ってゆく。動き自体はこれも単純明快だが……。ポイントは柄頭を縦にしっかりと扱い大太刀の切先を立てて活かしていく。なぜ柳雪かを考えればおのずと答えが出るのであとは稽古量が大切。
 鷹之羽:まずは構えのつくりかたから。この構えは非常に良くできていると思う。構えがしっかりできれば太刀の長さが観えなくなる。先人の工夫と慧眼に驚かされる。要点を理解できれば初心者でも形はとれることが特に素晴らしい。さてこの構えから打太刀に寄り打ちを誘い、①受けて付ける②受けて流し付ける③請流し付けるの三段階で稽古をおこなう。①と②は慣れれば問題ないが、③は体の緩みと入替・間が大切になる。打太刀の技量も必要となる。いずれは鷹之羽もやってみたいところ。