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徒然稽古録~27~

 古武術稽古会柳心会 2023年7月1日 稽古録

 2023年も半分がすぎて、初夏の7月最初の稽古日。稽古場を新たにして数年、稽古の方向性ややり方に工夫をこらしてきたが迷いもありいっては戻ってを繰り返してきた。やっと指針が固まってきた。先は判らないがそれでも一歩一歩。

 杖:膝の緩みを意識しながら舞杖・組杖の土台となる杖の遣い方から。両股関節周辺を意識して緩め、背のほうから動いていく。軸は意識しても崩れることを厭わずに、流動することの意味を思いながら。

受けと打ち:杖における基本の受け方をおさらい。やり方は剣術と同様となる。ただし道具が違うので微妙に変化する。その変化が肝であるが、初心の段階では気にすることでもない。まずは大まかな形と動きを知り身につける。理解が深まり身体に降りなければ細かいことは邪魔となり技術の習得を阻害する。その為の先達であり、師でありたいと思う。

 型:組杖1-6本
 1本目:打方の突きに対して拂うのではなく、交点を作り潜りこむようにする。道具の扱いも相手に従い反応するという部分は変わらない。
 2本目:基礎の動きができているか良い指標になる。縦回転での撞き込みは道具が主人であることを忘れずに。
 3本目:誘いと打ち込みのラインが大切。間合い・拍子・呼吸それぞれを合わせて一致させる。
 4本目:打方の位置を把握して崩す。観察と捉えが大切。
 5本目:打落してからの位置取りを良く考える。ただ捌き打つことでは無い。
 6本目:巻き落とす動きはそのまま返ることを忘れずに。動きの練度を把握して精度を高めていける様に稽古を重ねる。

 柔術:金剛指は下に向けて。身体を緩める感覚を掴むには上が良いが、深めるためには下が良いかも。師匠の若かりし頃の前廻り受身を拝見して気づくところが有ったので、全員でやってみる。上手くいかず崩れてしまったが、個人的には良い学びになった。やはり縦に廻るための空間作りはそれぞれ段階があるかと。

 体捌き(単体・相対):相対でおこなう際に受け手が素直で柔らかい方だと仕方の動きが良く現れる。その際に是非を仕方に求めるのではなく、まずは動きを見直すことが大切。柔らの稽古をおこなっていることを忘れずに。

 型:腕返
腕返:胸取り撞き込みから、体の入替と腕返で崩していく。縦の動きを身体に沁み込ませていく様に。

 剣術:構え(変化)から各種素振りへ。上段打込を姿勢の高低で稽古してみる。腕を下げて低くするのではなく、足を開きその足捌きで低く打込める様に。特に低い動きは学習が必要なので身に着けて貰いたいところ。正面切り・廻剣は切先を落さず、水平になる位置まで切る様に。左腕・肱・手首に力が入るとその様にならず動きが途切れるので毎回確認するように。

切返:両腕をしっかり伸ばして打つことが基本となります。この基本の習得が間を掴む基礎の一つになります。最初に教わる大切なことは何事も疎かにしないおことが上達の秘訣。

中心立:受け・立てる動きに慣れてきたら、前膝の緩みから動けるように。前足の動きも実は訓練が必要な動きの一つ。その基礎は中国武術で養っていたのは後年気づいた。師匠が云っていたが、何事も役立つので大切に。

 型:基本組太刀1-6本

 型稽古は、雑にやろうと思えばいくらでも雑にできる。それは見栄えではなく中身の話。見栄えが良くても雑さは自ずと出てしまう。できうる限りの動きで型をおこなえば、上下に関係なくそこには光るものがあり記憶に残り美しくもある。今日の型稽古はその一端をそれぞれ実感できたのでは。
 5本目:互いに車之構になった際に仕太刀は肩を見せ打たせます。その際にしっかりと構えを作れるかがポイント。中途半端な構えでは、打太刀の太刀から身を守ることはできません。
 6本目:3本目の裏とも云えます。仕太刀は打太刀の動きと間を捉え慌てずに動く。