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Blog 稽古録

徒然稽古録~75~

古武術稽古会柳心会稽古録2024年06月01日

 日をさえぎる雲とうっすらとかおる水の匂いを感じながら稽古場へ。月初の風景を観ながら稽古場を開けて準備開始。道着を着る前に軽く準備運動して、稽古へ向けて意識を切り替えていく。この意識の切り替えで体調みて稽古をぼんやりとイメージしていく。

 杖:下肢の緩みを絡めて、目に見える動きと内在された動きの違いを雑談を交えながら解説。外の動きを真似ているだけでは、動き自分のモノにはできない。内在化された動きをどの様に埋めていくかが大切。そこに個々の個性と方向性が出てくる。言葉と動きは基本乖離するものなので、それを踏まえて漏れ出た動きから掴んで貰えたらと思う。
 縦の動き:縦の動きでどの様に曲線を描いていくかを練習。直線の集合が円となることを感覚的に知って貰えれば良いかと思う。曲線を描くことで、円が創られる訳ではないということ。
 型稽古:組杖1-3本目
打方のポイントをそれぞれに伝えて稽古を進める。段階的に求められる動きの初歩を主題に。二本目は仕方の動きを掴んだ上で体を捌いていく。動作で動くと仕方との間合いにズレがでるので、中心を捉え呼吸を読む。
誘い:誘いの有無で動くのは、打方としては初心の段階。誘いに対しての動きは観てからでは間に合わない。動く前に型は終わってしまう。今日の稽古ではその一端をみせる。また間に同じものは存在しないことも。

 柔:受身の動きを段階的に詳細に練習する。初心の人は、両足を同時に扱ってしまうが分離して個別に扱わなければいけない。単独での受けで大切なことは、クッションとなる空間を適切に創造していく感覚を磨き身体を一致させる。前受身・後受身に関してはそれぞれ良いイメージが掴めた様で何より。
 正面打ち・受け:構えからの体の入替で打ちと受けを練習。打ちは手刀を立てながら、体を入れる。受けは構えから軸線上で腕を入れ替えて柔らかく受けていく。互いに一足一刀の間合いを維持しながら、一調子で丁寧に練習。
 腕返:柔術の基礎として一足の腕返を稽古する。中心を捉えて受け手の肩を柔らかく返して崩しをかける。受けから感じる身体の動きを適切に観る。
 小手崩:受けから、受け手の裏を取る流れで崩しを作り、小手を取って螺旋をかけて崩す。ポイントは、半身と真半身の違いの理解と繋がり・流れ。

 剣術:構えから袈裟打ち・基本受けのつくりを練習する。特に基本受けをする際の体重移動・重心移動の違いによる受け方の違いに理解を深めて貰う。
 八相基本受:基本の体固めの作り方と軸の関係性から、体重移動で受けた際の一般的な表現と危険性を体験して貰う。初心者・初級者は木刀を壊すことになっても前を捉えて立てることが受けの学びの一歩となるので迷わないことが大切。
 袈裟打ち:上級者には今いる段階から上の動きを練習して貰う。寄せる動きを如何に消していくかが主題。寄せが中心を空ける動きにならない様に前段階として要修正。この段階になると受けに対して受け以外の動きをさせないことが求められる。
型稽古:基本組太刀三・四本目
四本目:折敷いてからの打太刀の打ち込みに対して、先ずは軸をしっかりと立てた状態から稽古していく。後継して誘いをかけていくやり方ができる為には、前膝の緩みと遣い方の上達と立てる技術がポイントになる。特に後継が終わっている形を取ることは百害があるので注意して貰いたい。

 居合術:一文字抜と腹抜突を徹底。抜き方の原点に戻り修練を再開するための土台作りから。初心・初級組は切先の意識・上位は面の意識で稽古を重ねてもらう。速さを求めず、段階的に精確な動きで一致を大切に。