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Blog 稽古録

徒然稽古録~43~

2023年10月28日古武術稽古会柳心会稽古録

 杖:膝の緩みで身体をほぐしてから、廻杖へ。畳がある場所での稽古だったのでその幅を遣って動作制御と空間把握を三方突で稽古。限られた空間で無理なく自由に動けることも大切なので場を遣って。巻落・巻上と杖の基本を丁寧に練習。

 型稽古:組杖四本目
・この型は柔術的な肩抜の技術使い受けを崩すが、その根本には受け手の中心を捉えて抑えることが要求される。崩しに目が行きがちでそのあたりが曖昧になり易い。段階的な稽古として「中心を抑える」動きに変えて動き・抑えを見直してみる。柔術的な崩しは、受け手に柔術としての素養が求められる。動きと理解が追いつかないと曖昧な形で終始してしまうので考えどころ。

 居合:一文字腰抜きから納刀をしっかりと稽古。型は雰囲気や場の力で良く抜けることもあるが納刀だけは実力と日頃の稽古が如実にでる。この日は久しぶりに細かく見直す流れで。

型稽古:坐居合七本目
・四拍子で各動作を区切りながら一調子で抜く稽古。刀を寄せる動きは、前に出すのではなく身に寄せる。鞘を差し出すとも云えるのでそれぞれ感覚を掴んで貰いたいところ。軸の浮き上がりと鞘引きによる刀の抜き出しと右手の位置。この型が持つ課題でもあるので、各自の段階で向き合うことが大切。斬りの時は、刀は立てるながら前を捉えて。立てることは守ることでもある。斬ることだけに囚われずに。納刀は先の要点を踏まえて。

 ・各自課題。六本目は腰を廻さずに縦の体捌きで斬る。一本目~五本目は額の位置が大切になるので抑えを意識すると良いかと思う。

 柔術:先週に引き続き十文字受けの形から向・横捌。向は受ける位置と形が崩れない様にしっかりとできる様に。横捌は腕を立て体と捌く。足の方向は斜め前に、打ちの懐深く入り過ぎない様に。

 鎌手崩:関節技的な動きで稽古。十字受の位置から身体を退くときは小手を引かないように注意が必要。鎌手への働きは結果的に、手首~肘~肩~中心へと抜きの流れを作る。腕が力むと圧迫されて痛みが出るがそのあたりも緩みの良い稽古になるかと思う。痛んでも固めてはいけない。程度はあるがその意識と感覚の制御は大切な要素だと稽古をとおして再確認できたのは良かった。握りこぶしの状態から同じように抜きを掛ける練習も。大切なことは相手に対して限定的な稽古ではあるが、適切な働きを掛けること。中庸にそしてその働き・流れを感じ対応する感性と身体のバランス。

 剣術:小太刀

構え・歩み・入身・波立(一)・(二)・受流・切落・半身と位の話

 半身をしっかり取り刀に入る。小太刀はこの構えがまずはできるかどうかが大切。その上の緩みのない柔らかを持ちながら寄る動きができる様に。

 入身:打太刀を捌かずに守りながら、右半身から左半身に入れ替えて結果的に刀と腕を抑える。布一枚の守りで入ることが重要。これがどんな時でも太刀筋に合わせてできればかなりのモノ。
 波立:先日師匠と姉弟子の演武を見たが、(二)の技術は基礎として重要な要素の一つになるなと思えた。守り過ぎず流し過ぎずのバランスが波立では大切。
 受流:この型で重要なのは、受けた際にできる交点の真下に半身で入り、刀の流れに逆らわない流しを表現すること。型としては沈みを遣うが、技術として無くてもできる様に。