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徒然稽古録~44~

古武術稽古会柳心会 2023年11月04日稽古録

  杖:膝の緩みから三方突へ。この日の稽古は三方突の足捌きと単独時と相対時での間合いの詰め方について解説。単独で最初の位置からどの程度捌いて動くか?相対時(対人)の際にどの様に間合いを詰めていくか。単独時・相対時共に下肢の緩みと柔らかさが求められる。どちらも歩数・動きは共に変わらず空間を制するか。稽古時のそれぞれの意識の持ち様と工夫が必要となるが一つの見方として覚えて貰えればと思う。

 巻落:参加者が上級者であったので巻落の概念と捉えの大切さを実技も踏まえて中心への捉えが全ての基礎となるので、この概念と個々の体現が問題となるが少しは伝わったようだ。また動きの長短による見え方の差についても。この見え方の差を個別のモノとして捉えないことが大切。この点が一つの分水嶺となる。
 型稽古:巻落の前半部・後半部に分けて練習。後半部の体捌きは後に下がらずに、基本組太刀二本目と同様の動きが必要。焦らずに余裕を持つことが大切になる。

 柔術:金剛指を柔らかい表現で練習。この錬功の目的は末端への意識付けなので本質的には硬・柔どちらでも良いものである。受身は前・後を段階的に丁寧に練習。後受身をした際の足を持ち上げる所作について何となく話してみる。重要なのは自身の中心をどの様に守るか、その意識があれば所作は自ずと適した形で生まれるので稽古者本人次第かと思う。その為の後廻り受身でもあるかと思う。
 小手返:この日は、肩の抜きから軸の抑えを踏まえた動きの練習へ。肩への詰め・抜き、軸と中心の捉えから腰・下肢への導きと崩し。受け手の流れを捉える感度も問われる流れかと思う。立った状態から地面への受けの取り方は、下肢の緩みと流れが認識できていないと危険な要素が絶えず付きまとう。この点をみても古傳では、居取からしっかりと稽古を重ねて経験を積んで立ち技に移るのは理にかなっているといえる。受けを取る本質を他者や場所に委ねている限り先には進めないが。
 腕返:抜きからの崩しかたの例として練習。特に肩より腕が先に落ちてしまうと丁寧に動いているときは技が掛からなくなるので注意が必要。

 居合:一文字腰抜きから納刀を見直す形で丁寧に練習。動きを分解して流れが途切れがない様に納める。切上・縦抜と練習して基本型の稽古へ。

 型:正面斬・中腰・坐居合五本目
 中腰:付からの上段構え・突き入りの動きは腰を反らさずに前足の柔らかさと緩みで処理して出来る様に。
 坐居合五本目:刀の寄せ・浮き上がり・縦回転・抜き付と動きを分解しながら諸要素を見直し練習。浮き上がりは、膝に体重・重心共に載せないことが肝要。坐居合で膝立ちはないので。縦回転時は、頭部の振り返り・捩じれ・振りの三点は特に留意して稽古すること。

 剣術:二刀 向満字・横満字・中段
 向満字・横満字:小太刀の立て方・体捌きをしたときの小太刀と身体の位置関係にフォーカスして練習。二刀において小太刀の扱いは非常に大切。一刀で抑え防ぐ。
打太刀の基礎となる、手首を遣わずに両腕を無理なく伸ばした打ちも。この打ち方が身に付かないと自身の矩が出来ないので、間合いを掴むことは難しい。
 中段:この型でまず意識してもらいことは、構えを維持して歩むこと。両端の切先で打太刀を捉えて構え、その形と意識を一致させていく。その前提で打ち込みを外し抑え詰める。外す際は右足を小さく退き必要最低限の捌きで。それぞれの段階で良い動きをしていたのでそれを他の形でも活かせるように。