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徒然稽古録~40~ 今季小太刀始動

古武術稽古会柳心会 2023年10月07日稽古録

  杖:膝の緩み・廻し杖と身体を温めてから、松風・巴と練習。この二つの動きは当会杖術の基礎的な打の鍛錬形と云える。この動きで杖における道具と身体の一致中心に意識して振って貰っている。基本どの様な動きも一致が最重要課題と考えているので、伝わっていると良いが。一人杖の構成を伝えながら、基礎鍛錬を中心に。
 型:組杖一本目を中心に二・三本目。
一本目で学ぶ、打方の動きの捉えと間から体を捌いて杖を躱す。この単純明快な動きが理解できれば、その後の二本目・三本目は動きに慣れればさほど難しくない。個々の型で要求される形に惑わされずに要点と本質を感じ掴むこと。形は結果なので過程を大切に。

 柔術:歩法基礎から撞木歩法へ。撞木歩法は、上半身と下半身の分離と流れを伝える良い稽古法。この撞木は、柔術では抜きや切り、剣であれば重さへと繋がる大切な動きとなる。
縦の体捌(単体・相対)から肩抜崩(基礎)へ。
 肩抜崩:受けの横面打ちを受けてから、体捌きで腕に柔らかく抜きを掛けて崩していく。ポイントは引かずに、体捌きで誘導していくこと。受け手の軸線・中心を捉えて結果的に崩れる様にする。崩すことが目的ではない。

 居合:一文字抜きは大分浸透した感じ。あとは抜いてからの静止が自然にできる様になれば良いかと思う。居合において静止は大切な事柄。ただ止まってしまってはいけない。この辺りは各自の段階がでる要素かと思うがどうだろうか。
 型:本腰・坐居合一本目・七本目
本腰:始めの抜きは大きくしっかりと切り上げる。二の太刀は、左右の股関節を丁寧に使って下肢へ切込む。この時はお尻が右足踵に乗る様に。
坐居合一本目:付から折敷時に足を後方へ引かない様に注意が必要。軸線上の真下へ動く(沈む)。この辺りは意識の持ち様が大切な部分。右斜への体捌きは大きく動く様にする。最小最短で抜きをすることも大切だが、柔軟な動きがいつでもできる様に。
坐居合七本目:軸の誘導と鞘引きが大切。右手の動きを必要最低限で抜き、切りを一致させる。右足は前に出るのではなく立てる様に扱い、左足は撞木をつくる。膝立ち・飛ばない様に気を付けて。

剣術:大太刀
 切返・受け・打ち・中心立
基礎基本の動きから。それぞれ初級者・中級者としてはまずまずの打ち込みと動き。相対者としての打ち込みがまだまだ甘いが遣るべきことの意識はあるので良いかと思う。個々の練度を上げるために大切な打ち込みの強度を上げるための基本は太刀を引かずにしっかりと打ち込むという単純なこと。その単純ことのコントロールを意図してできるかどうか。
 中心立:立てる際の中心への捉えはあっても方向が定まらないことが多々みうけられた。基本は太刀と太刀の交点をずらさずに前膝の緩みで前方へ誘導していく。右腕に我がでると方向がずれるので気を付ける。
 小太刀
 構え・歩みの解説から。当会の小太刀は半身と刀に入る意識が重要。この二つを絶えず意図しながら稽古を重ねることが上達の一歩。基本的に遣るべきことは長短の違いはないので小太刀の稽古で得た経験を大太刀に還元して貰えれば稽古する意味はある。
 波立:まずはこの型から。基本の受けから半身で躱す。小太刀を強く握らず柔らかく持てるように。中級としては当てる様に打たせてラインと返る。上位の動きとしては間で躱す。
 切落:互いに中段で相寄り、打太刀の打ちに合わせて上げて拍子を捉えて遅れて切り落とす。その際に打太刀の軸線上をたてに割るように小太刀を遣い小手まで切り割る。