Categories
Blog 稽古録

剣術は縦に縦に使う。

古武術稽古会柳心会2025年01月25日稽古録

 気づけば今月の土曜日稽古も最終日。年が明けて今年は例年に比べると日々が過ぎるのがゆっくりだなと思っていても過ぎていくものだなと改めて感じる。稽古場をいつもの流れで整えながら、自分も整えていく過程を踏んで準備をしていると感じる。日常と非日常の入替の間が有ることは自分が思う以上に大切なことだと……。

 杖:一人杖の動きを使って、道具の扱い・間を得るための意識と訓練方法について伝えながらゆっくりと準備していく。出来る様になるかどうかは絶えず自分次第、その手伝いと道筋を示していくのが自分の役割の一つ。
 組杖:この日の稽古は打方にフォーカスして進める。会員それぞれ仕方の動きを覚えてきたので少しずつ進めていく。打方(打太刀)の稽古は絶えずトライ&エラーの繰り返しとなる。言葉や文言でどれだけ伝え・見せても動きを精査しやり続けなければ得ることは出来ない。間合・拍子・呼吸など型をとおして磨いていく。そして結果としてきっちりと負けることが求められる。我を出してしまった瞬間にそれは崩壊してしまっていることを知ること。
 浅間:組杖で求められる要点を一本目で学び、自分のモノにする。頑張って楽しめる段階まで上がって来て貰いたい。

 体術:受身稽古では背落を久しぶりに練習してみる。昨日、youtubeで古傳空手の稽古風景を拝見しながら似たような動きをしたなと思い出してみることに。試したが伝わらずに前の人だけに掛かってしまった。意図が伝わっているかどうかが大切。
 肩抜落:基本の抜く(詰め)・ずらし・落す、分け適切に掛ける。状況・形を変えながら易しい形から難しい形へ段階を踏んでいく。崩す形の原理原則を学んで貰えればと思う。働きを伝えるか働きを貰うか、静止したものを崩すことは出来ない。有形・無形の反応を引き出していくこと。
 間取:先の稽古を踏まえて小手崩を使って間取りをやってみる。やり易くするために掌を見せ打たせる。その間で打ち手に肩抜を掛け半身で入身、手首→肘→肩→腰部へ働きを掛けていく。

 居合:一文字抜きから向抜きへ。この日の居合は向を題材に段階を踏んでいく流れになる。当会の居合は立てることが重要になる。「立てる」ために半身になり同時に切る姿勢にはいっていく。また、斬るために切先を遠くへ振る動きはしない。先を切りたければ足を使い前へ出る。そのための膝の緩みであり、身体の緩みを稽古し培っていく。半身になり鞘引きを導くために撞木の作りが活きてくる。ただ鞘を引くのではなく、下肢と一致した送る動きになるように身体を使うための撞木となる。 

 剣術:廻剣から切落の基礎稽古へ。腕を使わずに下肢を緩ませ、体で切る感覚を培っていく。無理に真直ぐに切るのではなく、遣るべき動きの結果として真直ぐに刀(木刀)が動いていく。
 切落:先の動きを踏まえて稽古。真直ぐ切り分けて、中心を取って納める。素振りの動きを相対として出来れば遣るべきことは出来ている。焦らずに軸を立てて切先を意識して振っていく。
 基本組太刀六本目:昨年暮れから稽古を重ねている成果が少しずつ出てきている。先ずは手順と形を修正し理合を深めていく。勝を焦り我を出し動いてはいけない。遣るべき動きを優先し理合を意識して詰めて行く。袈裟切落・縦の切落、この二つを使い分けて先・後の先を学ぶ。
 三角切留:待太刀を中心に練習する。基礎の動きはそのまま引疲に活きてくるので導入としては良い稽古になった。独特な受けも新鮮だったかな。
 引疲:三本目の稽古に入れる様になったのは各位の努力のお陰。有難い事。車之構えから平正眼に変化し後継・膝・肘の緩みを活かした形の段階から。先ずは形と付ける意識の養成と受け流しからの転身と押さえを学ぶ。待太刀は、縦に打ち込み縦に返す技術を学ぶ。これは胸・肘の遣い方を学ぶにも良い動きなので誤魔化さずに丁寧に練習して貰いたい。